研究課題
高運動量ビームラインの分岐点SMにおける、電磁石と真空機器、遮蔽体のメンテナンス方法について、研究開発を行った。電磁石については、平成26年度までの研究で、SM周囲のトンネル構造に最適化したミニチムニー型電磁石とその架台の構造、配管・配線方法が確立していた。平成27年度には、その電磁石と隣接する遮蔽ブロックについて、磁石のメンテナンスと両立するように寸法・形状や積載方法を設計し、実際にトンネル内で積載試験を行った。当初は、電磁石のチムニー部と遮蔽ブロックとの隙間が狭すぎて人が長時間直近で作業する必要があり被曝量が増大する危険があったが、ガイド治具を取り付けることでそれを解決できた。真空機器については、平成26年度までの研究で、電磁石同士の真空接続にはピローシールと呼ばれる遠隔装置(圧縮空気でステンレスのフィルムを膨らませて対向フランジと接触させることで真空を封止し、取り外す時は逆にフィルム内を真空に引いて縮めるもの)が適用できる目途が立ちつつあったが、一部の箇所で、ダクトの構造と空間的な制約によりピローシールの適用が困難であるため、直接人の手で真空接続をせざるを得ないことが分かった。そこで、メンテナンス時の被曝をなるべく低減させるために、より短時間に真空接続が可能となるような当該箇所専用の治具を開発し、実際に接続試験を行った結果も良好であった。以上の研究開発により、SMにおけるビームライン機器のメンテナンスシナリオがほぼ確立したと言える。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
IEEE Transactions on Applied Superconductivity
巻: Vol.26 No.4 ページ: 4001204-1-4
10.1109/TASC.2016.2516591
巻: Vol.26 No.4 ページ: 0603904-1-4
10.1109/TASC.2016.2536560