KF添加チタン酸バリウムにおいて、KFの組成xを0から0.12付近まで系統だてて変化させ、単結晶を育成した。特に、誘電率が最も大きくなるx=0.1付近の大型単結晶の育成法を開発した。質単結晶を用いて、誘電率、自発分極の温度依存や直流電場印加下における誘電率の温度依存を精密に測定した。 我々が予想していた通り、x=0.1組成が3重臨界点近傍であること、電場で誘起される1次転移から2次転移への移行を示す臨界終点は、x=0では臨界電場Ec=10kV/cmで生じるが、Ecは組成xの増加とともに低下していき、x=0.1付近でEc=0となる。本系での組成-電場-温度の三次元相図を明らかにした。
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