1ナノメートル程度の太さのカーボンナノチューブを鞘にして、その中でペリレンからクアテリレン分子、チオフェンからチオフェンポリマーを合成することに成功した。クアテリレン分子に光を照射するとそのエネルギーがナノチューブに移動してナノチューブが光を発することがわかった。移動の時間は1ピコ秒程度であり、分子とナノチューブの距離によって変わる。ナノチューブ内部に納まっているポリチオフェンは光の照射によって電気の担い手であるキャリヤを発生して、このナノチューブ薄膜は導電性を示した。ナノメートルの距離で分子や高分子が近づくと、非常に短い時間でエネルギーやキャリヤがナノチューブに移動することが明らかになった。
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