本研究ではまずポルフィリンクラスター理論模型の構築を行った。次に、その理論模型を用いて共鳴軟X線発光分光、X線光電子分光、X線吸収分光のスペクトル計算をすることに成功した。最終的には実験スペクトルとの比較をする予定であったが、進捗状況が遅れたため実験スペクトルと理論計算の直接の比較が不可能となった。そのため方針を変更し、計算パラメーターを系統的に変化させることで電子状態の変化の様子を調べることにした。 また、ヘム鉄の電子状態とほぼ同じ状態をとるNaCr2O4とFe3O4の研究も行った。この研究成果はPhysical Review BとPhysical Review Letersに掲載された。
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