本研究では、URu2Si2とURhGeの不思議な相転移を解明するために、パルス磁場中の超音波測定を行った。我々は、これらの物質において鉄系超伝導体と同様な構造的量子臨界現象が現れる事を発見した。ヤーンテラー温度は、鉄系物質の50Kに対し、ウラン化合物ではは1K程度と小さく、量子臨界点が磁性起源であることを強く示唆する。URu2Si2では、C66においても高磁場での弾性軟化現象を発見した。このことは、この隠れた秩序の原因として提案されている候補の中で、Eu対称性の関与を示唆する。これらの量子臨界点近傍の弾性的性質の振る舞いは、強相関伝導系の量子臨界現象に共通の性質であるように思われる。
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