導電性高分子ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸) (PEDOT/PSS)の電気伝導機構を調べるために,エチレングリコールを添加した膜の極低温電気抵抗測定と走査トンネル顕微鏡(STM)測定を行った.その結果,エッジキャスト法で作製した膜では,電気抵抗率は~1mΩcm程度の小さな値を示し,異方性2.2程度の配向効果が得られた.STM測定の結果,膜は繊維状の微細構造(幅~3nm)を示し,繊維の方向に電気伝導度が向上することが分かった.これに対し,ドロップキャスト膜やスピンコート膜ではランダムな粒状構造(20-40 nm)を示し配向は観測されなかった.
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