リチウムイオン電池の正極材料として広く利用されているコバルト酸リチウムとその関連物質において、酸素1sX線吸収分光によって酸素2pホールが重要な役割を果たしていることを見出した。一方、三角格子を持つイリジウムテルライドでは、イリジウム5dホールとテルル5pホールが示すストライプ状の電荷・軌道秩序の性質をX線散乱および角度分解光電子分光によって解明し、さらに電荷・軌道秩序が抑制された超伝導相において、スピン軌道相互作用と多バンドフェルミ面の関係を調べた。正方格子を持つ鉄カルコゲナイドおよびビスマスカルコゲナイド超伝導体においては、軌道縮退と電子状態の不均一性の関係を詳細に調べた。
|