CaV4O9型格子は正方格子から格子点を周期的に1/5欠損させた格子で単位胞に4個の格子点を含む多軌道系である.この格子上を運動する電子系に対するハバード模型は金属絶縁体転移,磁気相転移等が絡み合った多様な量子相転移を示すことを明らかにした.電子数がサイトあたり1/2 である場合の基底状態相図については平均場近似を用い,電子数がサイト当たり1個の場合の量子相転移についてはクラスター動的平均場近似(DMFT)を用いて研究を進めた。最近脚光を浴びているFeSiおよび FeGeを念頭に、多軌道ハバード模型における金属絶縁体転移に伴う磁性の出現という観点でその特徴を明らかにした。
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