f電子系を舞台にした磁化が狭い磁場範囲で急激に増大する遍歴メタ磁性現象を対象に、遍歴準粒子の低エネルギー励起に敏感なゼーベック係数、ネルンスト係数に代表される熱電係数を用いて、遍歴メタ磁性の機構の解明を目指して研究を行った。その結果、重い電子系遍歴メタ磁性化合物のYbCo2Zn20において巨大な熱電係数を見出し、この現象の背後に強くバンド依存した電子相関効果の存在を明らかにした。また巨大な熱電係数がメタ磁性磁場に向かって急速に抑制されることから、この特異な電子相関とメタ磁性との密接な関わりについても明らかにした。
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