本課題では、Mn置換による電子ドープSrTiO3の熱電特性の向上の起源の追求を行った。熱電特性に加えホール係数、磁化、比熱等のマクロ物性の評価および非弾性中性散乱によるフォノン励起の直接評価により、低エネルギーフォノン励起の増強、および、遍歴電子とMnの局在スピン間の相互作用による熱起電力の増強が、熱電特性向上の起源である可能性を示した。 さらに、p型酸化物熱電材料候補である反強磁性三角格子体CuCrO2の磁気励起の起源を非弾性中性子散乱実験により追求し、また、ホールドープCuCrO2と類縁物質の電子構造を光電子分光測定により解明した。
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