種々のダイヤモンド鎖、フラストレート梯子系、フラストレート強磁性・反強磁性ボンド交替鎖、高スピンハイゼンベルグ鎖などについて、場の理論や厳密解を用いた解析計算に加え、数値対角化、密度行列繰り込み群、熱的量子純粋状態法などの数値的手法を用いて基底状態・有限温度の振るまいを明らかにした。特に、基底状態における、フラストレーションに誘起される部分フェリ磁性相、並進対称性の自発的破れを伴うハルデン相・フェリ磁性相、逐次トポロジカル量子相転移などの特異な量子現象がフラストレーションによりどのように誘起されるか、これらの基底状態の性質が有限温度の振る舞いにどのように反映されるかを明らかにした。
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