非線形格子に生じる非線形局在励起(Intrinsic Localized Mode, ILM)の移動や走行を妨げる2つの問題、パイエルス・ナバロ(PN)ポテンシャルと、余分な尾を励起するテイル発生について2つの研究を行った。PNポテンシャルについては、過飽和非線形格子を実験的に作成し、非線形性の飽和時に生じる幅変化分岐時にPNポテンシャルが0になることを線形スペクトル測定法にて確かめた。定常走行時に発生する尾は、非線形力のフーリエ成分が分散関係と交差するところでフォノンを共鳴励起することで生じる。2種類の非線形力の合成で交点での非線形力を0にすることで尾の発生を抑えられることを見つけた。
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