陽子よりも遥かに重い質量をもつ負電荷粒子(未知粒子であるため、以降X粒子とする)が超対称性理論により予言されている。このX粒子が電子と置きかわり、エキゾチック原子・分子を形成すると、通常の原子・分子にはない特異な性質を示すことが予想される。X粒子はビッグバン直後に生成したと考えられ、X粒子原子衝突にともなう原子核反応がが、直後に起こるビッグバン元素合成反応に関与した可能性が議論されている。特に、リチウム同位体の存在度が観測値と理論値で大きく異なるリチウム問題の解決策となることが期待されている。本研究では、X粒子原子衝突を量子力学的散乱問題として厳密に計算し、X粒子の性質を検討した。
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