立体構造変化に加えて、自己分解反応を考慮した速度論的モデルを構築し、プロテアーゼの種々条件下の熱測定データを共通のパラメターで解析するグローバル解法を開発した。金属プロテアーゼであるthermolysin(TLN)とセリンプロテアーゼであるsavinase(SAV)の速度論的安定性が本手法で評価できることを示した。さらに、TLNの安定性への阻害剤の効果と、SAVの安定性へのCaイオンの効果とを評価し、それらの機構を明らかにした。また、本手法の汎用性を検証するため、マルチユニットからなる非プロテアーゼ蛋白質にも適用し、カルモジュリンやアミロマルターゼ等の速度論的安定性の評価に成功した。
|