粘菌変形体の輸送管網形態による適応戦略について、ネットワーク解析により以下の特徴を持つことが明らかとなった。誘引環境では、網目状の形態をとり、細い管が大部分を占める階層的なループ構造で構成される分散的ネットワークとなる。酸素消費の場は至る所にありエネルギー効率の点では劣るが、環境から効率良く栄養分を吸収する。忌避環境では、樹状の形態をとり、ほとんどが太い管で構成され中央集中型となる。より遠くへ探索の範囲を広げ、安全で良い環境を効率的に探すことができる。それと同時に、酸素消費の場である細い管は非常に少なく、エネルギー効率も高い。変動する環境下でもネットワーク形態による動的な適応過程が確認された。
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