本研究は、空間的束縛を受けた液体イオウ中の高分子の自己秩序化の可能性を、斜入射中性子小角散乱法によって探ろうとするものであった。しかしながら、当初予定していたビームラインでの機器整備が思ったように進まず、研究期間内での実現は困難と予想され、最終ターゲットを見据えた斜入射光学系の準備研究(時分割中性子反射率測定)、ならびに試料環境機器(電気炉)整備を中心に研究開発を進めてきた。前者については、アモルファスカルコゲナイド薄膜への銀の光拡散を対象とした測定を行い、その反応過程解明に向けた大きな進展をもたらすことができた。後者については、整備した電気炉を用い、MLFでの実験を実現した。
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