研究課題
基盤研究(C)
実験:落下装置の開発,自由落下弾丸による予備的な低重力下での衝突実験,試料として用いる粉粒体の物理特性の測定,遠心加速装置を用いた粉体空隙率の重力依存性のデータ取得を行った.・落下装置の製作と動作テストおよび予備的衝突実験:試料容器を定荷重バネでつるして,定加速度で落下する装置を製作した.試料容器は電磁石で支えておき,スイッチにより電磁石への電流を遮断することにより落下タイミングを制御する.試料容器に加速度計をとりつけて加速度を測定するとともに,試料容器の落下の様子を高速度カメラで撮像し,加速度を確認した.鏡と照明を設置し,試料容器落下中の像が高速度カメラで取得できるようにした.弾丸は,自由落下により試料への衝突速度を 1-5 m/s の範囲で変化させた.ガラスビーズと砂の2種類の粉粒体を用いて重力場を1-0.38Gの範囲で変化させてクレーター形成実験を行った.また,これら試料粉粒体の内部摩擦角を平行平板試験により測定した.・遠心加速装置を用いた粉体空隙率の研究:異なる粉粒体をふるい入れた容器を遠心加速装置に取り付け,模擬重力を1から18Gまで変化させて空隙率の変化との対応を調べる測定に着手し,予備的なデータを取得した.数値シミュレーション:粒子法の一種である離散要素法(DEM)により,多数の粒子を箱の中に自由落下させることで衝突標的となる粉体層を低重力下のもとで形成した.結果として,重力の違いによって空隙率の違う標的粉体層を構築することができた.
2: おおむね順調に進展している
実験:落下装置の開発,弾丸の自由落下による予備的な低速度・低重力下での衝突実験,試料として用いる粉粒体の物理特性の測定,遠心加速装置を用いた粉粒子体試料の空隙率の重力依存性の予備的測定を行った.次年度に本格的に低重力下での衝突実験を行うことが可能となった.遠心加速装置にとりつけるバネ銃の準備は遅れている.数値シミュレーション:本研究のキーとなる「異なる重力下での粉体層の形成」を行い,次年度以降に行う粉体層の音速などの物理特性の調査および粉体層における衝突過程の数値シミュレーションに取り組むことが概ね可能となったため.
低重力衝突実験を本格的に開始し,クレーターサイズの重力・粉粒子体サイズと種類依存性についてのデータを蓄積する.粉粒体のサイズ分布を変化させて,粉粒体層の空隙率がどのように変化するか,重力との関係を明らかにしていく.数値計算によって標的粉体層の形成とその物理特性の理解を行うとともに,衝突の数値シミュレーションを行い,衝突時の貫入抵抗などの重力等に対する依存性を明らかにしていく.
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
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