本研究においては、岩石の浸透率異方性を評価する実験手法を確立することを目標とした。そのため、堆積学的およびテクトニックなバックグラウンドの明らかなフォアランド堆積盆のタービダイトについて、減圧および加圧含浸法に基づく磁性流体実験を実施した。処理を行った試料のすべてについて、マイクロフォーカスX線CTスキャナーを用いて試料の断層画像を取得し、三次元的な孔隙・フラクチャーネットワークを可視化して解析を行った。さらに実験対象とした地層年代をフィッショントラック法ならびにウラン-鉛法で決定し、イベントの時空分布を明らかにすると共に、磁性流体実験が示す岩石ファブリックとの相関解明に成功した。
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