火山噴火により成層圏へ放出された二酸化硫黄から生成した硫酸エアロゾル(煙霧質)粒子は日光を強く散乱・反射し、地表面への日射を減少させ、気温低下・降水減少・植生衰退などの環境変動を引き起こす。その総合的影響評価については今まで定性的理解のみであったが、本研究では、大気・海洋・陸域及び生物圏の諸過程を整合性良く組み込んだ気象研究所地球システム数値モデルを用いて、巨大火山噴火による二酸化硫黄放出量を与えた実験を行い、火山噴火による硫酸エアロゾル粒子の増加とその気候・生態系への影響を様々な時空間規模(一年~数十年、地域~地球)について定量的に明らかにした。
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