研究課題
1.東北脊梁山地に点在する白亜紀花崗岩類と先白亜系、岡山県北部地域に分布する先白亜系、北海道渡島半島南部のチャート砕屑岩コンプレックスと奥尻島の白亜紀花崗岩類、広島県南部および芸予諸島地域の白亜紀花崗岩類とイグニンブライト、および先白亜紀基盤岩類の地質調査と年代測定をおこなった。2.既存の試料と平成27年度に新たに収集された試料、および共同研究者によって提供された試料の合計約40試料について、LA-ICP-MSを用いたジルコンU-Pb年齢の測定をおこなった。3.砕屑性ジルコンのU-Pb年齢を測定した結果、函館東方のチャート・砕屑岩コンプレックスは前期白亜紀の付加体であること、岡山県北部にジュラ紀付加体を起源とする結晶片岩、周防変成岩、舞鶴帯の中帯と北帯が低角のナップ構造で累重していること、これまでジュラ紀付加体と考えられてきた芸予諸島のホルンフェルスはペルム紀付加体であること、九州北東部の田川変成岩は周防帯に対比できること、熊本県八代地域の竜峰山帯の一部にデボン系が存在すること、沖縄本島北方の伊是名島の先白亜系はジュラ紀中期の付加体であること、四国和泉層群の砕屑粒子の殆どは山陽帯のイグニンブライト起源であることなどが判明した。4.白亜紀の花崗岩類とイブニングライトのジルコンU-Pb年齢を測定した結果、阿武隈帯と北上帯の境界は畑川構造線から鬼首-湯沢マイロナイト帯、大平山岩体東部の協和-比立内マイロナイト帯,白神山地東方を経由し、渡島半島と奥尻島の間を通ること、山陽帯の火成活動は111 Maの吉舎安山岩の活動に始まり、85 Ma頃の広島花崗岩の活動を経て収束に向かったこと、中国地方は白亜紀中・後期に1000 m以上の厚さのイグニンブライトによって覆い尽くされていたことなどが判明した。5.以上のデータを基に、前年度に編集した50万分の1日本列島の基盤年代地質図を修正した。
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