現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高遊原溶岩台地側端崖,末端崖から採取した溶岩試料と、大峰火砕丘から採取したスコリア試料,国土交通省九州地 方整備局,熊本河川国道事務所のボーリングコア3本から採集した試料の薄片観察,全岩化学分析を行った.ボーリングコア の観察によると高遊原溶岩は上部自破砕部(平均 25 m)、塊状部(平均 63 m)、下部自破砕部(平均 6 m)の3つに分けられることがわかった.化学分析結果からも塊状部の均質性が確認でき,単一のフローユニットであることが確証できた.溶岩の上部自破砕部ではそれを覆う阿蘇-4 火砕流堆積物の間には土壌を挟まぬことを観察したので,高遊原溶岩を時間間隙をおかずに覆ったことは間違いない.今年度は高遊原溶岩と阿蘇-4火砕流初期の小谷火砕流堆積物の比較を重点的にし,両者が異なる分化トレンドを取り,別々のマグマ溜まりにおいて結晶分化作用を起こしたことを明らかにできた.
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