長さ3000kmに及ぶ伊豆-小笠原-マリアナ(=IBM)弧は付加体の無い、典型的な海洋性プレート収束域で、その海溝陸側斜面(前弧)構成岩石は陸上オフィオライトと相似の岩相をもち、前駆的沈み込み帯オフィオライトと呼ばれ、前者は後者が陸化したものである。本研究では南部マリアナ前弧の「しんかい6500」潜航研究により以下の新知見を得た。チャレンジャ-海淵より東部では、(A)若い火成活動「南東マリアナ前弧リフト(rift) 」の存在を確認、更に(B)蛇紋岩湧水深海生態系「しんかい湧水域」を発見した。西部では(C)海溝軸近傍前弧域に橄欖岩海嶺を確認し、カロリン海嶺の沈み込みに支えられている為と議論した。
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