研究課題/領域番号 |
25400493
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研究機関 | 滋賀県立琵琶湖博物館 |
研究代表者 |
里口 保文 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 専門学芸員 (20344343)
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研究分担者 |
長橋 良隆 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (10292450)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 海洋地質 / 鮮新ー更新世 / 高精度年代・層序基準 / 火山灰層序 |
研究実績の概要 |
高知コアセンターに保管されている下北沖コアについて、昨年度に記載・採取を行ったテフラのプレパラート等の分析用資料作成を行い、いくつかの検鏡を行った。現在、分析を行っている。 IODPのExp.346で掘削された日本海のボーリングコアについて、このプロジェクトで掘削された全地点を対象に、できる限り多くのテフラの採取を行った。それらテフラの分析用資料作成を全体について行った。また、火山ガラスの主要化学成分分析を行った上で、地点間・陸域で知られている広域テフラとの対比候補を検討した。対比候補となったテフラについて、火山ガラスの形状・鉱物組成、層序および年代、すべてのデータと対比の矛盾がないかの検討を行った。これらの結果について、論文化を検討中である。これらの採取したテフラ以外に、見落としたテフラがないかを現在チェック中であり、まだ採取しきれていないものがいくつかみつかっている。これらについては、次年度に採取・分析・対比の検討を行う。 海底コアのテフラと広域対比候補となった陸域のテフラについての調査および試料採取を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本海のボーリングコアを対象にしたテフラ対比の検討が、他の研究者との関係で急ぐ必要があったため、下北沖コアのテフラはまだ分析があまり進んでおらず、当初の予定よりこのコアについてはやや遅れ気味である。ただし、IODP・Exp346の他の研究者との関係により、先に検討を行った日本海コアについては、テフラ分析および対比の検討が下北コアより先んじて順調に進んでいるため、研究全体としては、順調に進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
対象となるテフラの数が予想以上にあるため、分析処理をより効率的に進める必要がある。これは、まだ採取できていないテフラが存在している日本海コアについてである。そのために、単純作業的に行うことができる分析前処理などの作業を行うアルバイトの雇用日数を当初予定よりもずれ込んで行う必要がある。また、実施時期などを集中的にして効率化を図る。 また、テフラの完全なデータセットをそろえるには時間がかかるため、対比の可能性を火山ガラスの主要化学成分および挟在する層準データから検討することで対比候補の絞り込みを行ったことが成功している。今後は、その対比の信用性および対比できていないテフラの対比候補を絞るために、鉱物組成など分析に時間のかかるものを行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
分析補助のアルバイトの出勤と研究者との時間の都合が合わなかったこともあり、予定した雇用ができなかったものを、次年度作業として繰り越した。また、共同研究者のあつまる日程が確保できなかったこともあり、研究打ち合わせを次年度に繰り越した。そのため、予算残額がでた。また、分担者は残額がわずかであるので無理に執行しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
当年度実施できなかった研究補助アルバイトの作業および新たにわかった未採取試料の分析を合わせて行うために雇用の費用として支出する。これは次年度の予定雇用日数が少ないことから、実施可能である。また、打ち合わせのための旅費は次年度実施し、分析に必要な消耗品類の購入に充当する計画である。
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