秋吉石灰岩の石炭紀後期ーペルム紀前期の有孔虫群集(主にフズリナ類)を再検討し、筆者の手元にある国内外のそれらとの相違を比較検討した。飛騨外縁帯や美濃帯でも同様の研究を行った。秋吉石灰岩の上部石炭系から下部ペルム系は12のフズリナ化石帯に区分される。AkiyoshiellaやCarbonoschwagerinaに代表される環太平洋域に特徴的なフズリナ類は古太平洋海山列のプレート運動や東アジアの造構論に制約条件を与える。有孔虫多様度は下位の5化石帯で低く、その後徐々に高くなり、ペルム系最下部(10番目の化石帯)で極大になる。この結果はフズリナ類の進化・適応放散と深くかかわっていると考えられる。
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