新燃岳2011年噴火の誘発過程を研究した。結晶に富み移動しにくいマッシュ状珪長質マグマが高温マグマ注入を受け噴火したことと、2種のマグマの貯蔵系を明らかにした。その上で噴火最盛期に3度起きた準プリニー式噴火を対象に、混合から噴出のタイムスケールが、噴出時期といかなる相関を持つか検討した。鉱物内の元素拡散速度の大きい磁鉄鉱を用い、噴火直前に起きた高温マグマの注入・混合のみを対象とした。準プリニー式噴火は間歇的であったので、間歇的な高温マグマの注入が噴火を誘発した可能性も検討した。堆積物の噴出のタイミングも重要であったので、本質物の石基組織の解析により1度目と2度目の堆積物の境界も明らかにした。
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