研究課題/領域番号 |
25400535
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村瀬 英一 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60150504)
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研究分担者 |
森上 修 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70363124)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 非平衡プラズマ / 予混合圧縮着火 / 着火時期 |
研究概要 |
エネルギー問題と環境問題を同時に解決する新しい燃焼方式として、「予混合圧縮着火燃焼」がある。この燃焼方式の最大の問題点は、燃焼開始を予混合気の自己着火(化学反応)に頼っているので、着火時期の直接的な制御ができないことである。本研究は、非平衡プラズマジェットによりラジカルを燃焼室の広範囲に分散させることにより着火時期の直接制御を行うと共に、その着火機構の解明を行うことを目的としている。 今年度は、まず急速圧縮装置の改造を行い、圧縮比を14.6まで上げられるように、燃焼室の設計を行い(燃焼室は幅25mm,直径56mmの円筒形)現在制作中である。また、圧縮初期温度を上げられるように、リボンヒータをシリンダと燃焼室まわりに巻くことを検討した。これらにより、ブタン―空気混合気の圧縮着火実験ができるようになると考えられる。 ナノ秒オーダーのストリーマ放電による非平衡プラズマ発生の電気回路に関する検討を行った。バリア放電プラグに電圧を与える駆動電源、アンプ回路に用いる制御電源、放電期間を制御する期間信号用の発振器、バリア放電の放電周波数を制御する駆動信号用の発振器がアンプ回路を介してトランスボックスに交流電圧を印加し、トランスボックスによって昇圧された電圧がバリア放電プラグに与えられる仕組みを考えている。 バリア放電プラグは、プラグの中心電極はそれを覆うように絶縁碍子が覆うような構造になっている。中心電極の周囲には同心円状に接地電極があり碍子と接地電極の間には数ミリ程度の隙間を設けた。プラグは,中心電極に交流高電圧を印加することによって電子が絶縁碍子表面と接地電極間を移動し、電極間に活性種を生成しそこに存在する混合気を点火する機構となっている。これを現在設計、製作中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
急速圧縮装置の改造は燃焼室の製作が完成していないが、現在制作中である。また、電気回路の検討、イグナイタの検討などおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)急速圧縮装置による予混合圧縮着火燃焼の基礎実験 カムを利用した急速圧縮装置を用いて、自己着火した場合と、非平衡プラズマジェットで着火時期を制御した場合の、詳細な燃焼状態の診断を行う。また、非平衡プラズマジェットで着火の制御をした場合の問題点等に対する考察を行う。 (2)化学反応計算による着火過程の考察(森上) 自己着火過程を表すのに有効な素反応スキームと、シリンダ内の流れを組み合わせたシミュレーションソフトを考案する。それに加えて、非平衡プラズマジェットで着火した場合のシミュレーションソフトの考案も行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、急速圧縮装置の改造、整備を中心行ってきており、実験に関しての予算の執行が遅れた。 次年度は、実験を中心に行っていくので、その際に使用する燃料、金属材料などに使用予定である。
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