低真空アーク放電で発生する陰極点の特性を利用する金属平板表面の酸化膜層除去に関して、エネルギー効率向上を目指して陰極点挙動解析を行ってきた。陰極点は金属平板の陽極に対向する面上だけでなく、反対側の面にも移動し酸化膜を除去する。陰極点は時々酸化膜層が除去された陽極側の面に戻るが、そこでの移動速度は酸化膜層がある時の100倍以上にも達する。 電極間に発生するプラズマの様子は陰極点が金属平板のどちら側にあるかによって大きく異なるが、測定の結果この原因は陰極点からの高エネルギー電子によるものと考えられる。また、陰極点が電極間側に無い場合でも陰極の材料物質が電極間に放出されていることも分かった。
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