代表的な立体規則性高分子であるシンジオタクチックポリスチレンにおいて、ゲスト分子の挙動を主に中性子小角散乱法(SANS)を用いて調べた。そして高分子結晶領域中おけるゲスト分子の拡散は、非晶領域に比べると著しく遅くなるが、高分子結晶ラメラの厚みが4nm程度であるために、比較的容易にゲスト分子の脱離や交換操作を行うことができることが明らかになった。また、ゲスト分子の脱離挙動は、その分子量に依存して著しい違いが生じることも明らかになった。 SANSとフーリエ変換赤外分光法(FTIR)を組み合わせた時間分解SANS/FTIR同時測定法を開発し、広範な構造情報を与える手法であることを実証した。
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