研究実績の概要 |
特異なカラム状分子配列が固体物性に与える影響について調べるため、付加体 を用いた電界効果トランジスタ (FET) デバイスおよび有機薄膜太陽電池の作製と評価を行った。付加体について、溶液プロセスでトップコンタクト-ボトムゲート型FET素子を作製し測定したところ、ゲート電圧を正に印可するとドレイン-ソース間の電流値が増加したため、付加体がn型半導体特性を持つことを明らかにした。また、測定結果から見積もった電界効果移動度は1.55×10-5 cm2 V-1 s-1であった。有機薄膜太陽電池において、アクセプタ分子として機能するかを調べるため、poly(3-hexylthiophene) (P3HT) をドナー分子として用い、Bulk Hetero-junction型薄膜太陽電池を作製した。Indium tin oxide (ITO) をコートしたガラス基板を洗浄した後、ホール輸送層としてpoly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(styrene sulfonate) (PEDOT:PSS) 水分散液をスピンコート塗布し、140 °Cで10分間乾燥した。続いて付加体とP3HTの重量比1:2の2 wt % o-dichlorobenzene溶液をスピンコート塗布し、室温で20分間乾燥した。最後にシャドーマスクをかぶせた活性層表面にAl電極を蒸着し、真空下150 °Cで10分間熱アニールを行い太陽電池を作製した。作製した太陽電池について、air mass 1.5 global (AM 1.5) 照射下、Ar雰囲気下で太陽電池特性を測定したところ、光電流の発生が見られ、太陽電池特性を示した
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