CIEEL型ジオキセタンはCTID機構で効率良く発光し、この機構において生成するはずのラジカルイオン種の検出を負イオンモード MALDIを用いて試みた。分子内にアンテナとなり得る芳香族置換基を有するフェノール置換ジオキセタン化合物では、マトリックスからアンテナ部位への電子移動によりラジカルアニオン経由のフラグメンテーションが進行する。本研究では、アンテナ部位を有するフェノール置換双環性ジオキセタンがMALDI条件下ケトエステルに分解し、芳香族エステルでなくケトン側が励起することを見出した。一方、標品ケトエステルも衝突誘起解離により振動励起状態になり、ケトン側からの分解が進行することが分かった。
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