自然界の炭素固定を担う金属酵素COデヒドロゲナーゼ(CODH)およびアセチルCoA合成酵素(ACS)の活性中心モデルを構築し、反応検討によって酵素反応機構解明を進めた。CODHについては独自に開発した三座チオラート配位子を利用し、CODH活性中心のモデルとなる[4Fe-5S-Ni]クラスターの構築に成功した。ACSについてはテトラアニオン性のジアミドジチオラートmbpaをもつニッケル二核錯体を合成し、酵素基質であるメチルカチオン、CO、チオラートからアセチルチオエステルを合成するモデル反応を達成し、アセチルCoA合成経路の反応機構解明を大きく前進させ、新たな炭素固定反応の端緒を拓いた。
|