研究課題
酵素触媒反応の原動力となる金属活性種の電子構造およびその反応性について探索するため、量子化学計算による理論研究を展開する。酵素はメタン活性化などの困難な化学反応を常温常圧で高選択的に触媒しており、これらの生体反応は主にタンパク質環境下にある金属活性点で起こる。反応素過程で生成する中間体のスピン状態変化およびタンパク質中の電子移動が、金属の関与する酵素触媒反応を理解するための鍵となる。量子化学計算は有効な研究手段となる。本研究では、反応性に関する理解を飛躍的に深めるため、金属活性種の生成およびそれに関与する電子移動について理論的に研究し、反応の活性制御を目指す.本年度までに研究の目的である金属酵素の二核銅活性点による反応がほぼ明らかとなった。とくにメタン酸化酵素がどのように安定なメタンを活性化させるかを理論的に解明した。これらの結果は学会発表、論文投稿を通じて公開された。これらの知見をもとに他の金属酵素についても同様の解析を今後行う予定である。
1: 当初の計画以上に進展している
関連する研究において計画以上に、学会発表、原著論文を発表し成果をあげることができた。実験研究者との共同研究、外国人研究者との共同研究も進展した。
研究は順調に進展しており、研究計画通りに引き続き実施する
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 謝辞記載あり 7件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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