パルスレーザー蒸着法を用い、様々な窒素圧力・基板温度において実験を行った結果、純粋なγ’’’-FeN薄膜を生成することに成功した。しかし、当初得られた試料の低温6 Kメスバウアースペクトルには、50 T に内部磁場を持つ成分が格子欠陥として得られた。さらに高温の773 Kで薄膜生成を行うことによって、格子欠陥のない薄膜の生成に成功した。γ’’’-FeNの内部磁場の温度変化を測定することによって、ネール点が230 Kであることが明らかとなった。 本研究によってγ’’’-FeNのみの薄膜の生成が初めて示され、さらに格子欠陥のないγ’’’-FeNの磁性に関する知見を得ることが可能となった。
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