金属クラスターは直接結合した複数の金属原子から成り、金属原子の協同効果により新しい反応を行う触媒として期待されているが、従来我々が用いてきた水配位子を持つハロゲン配位型クラスターでは加熱による前処理時に水配位子からヒドロキソ配位子が生成し、主にこれが触媒活性点として働く一方、この配位子は金属原子から脱離しにくいため金属原子を活性点とする触媒反応の開発は難しかった。本研究では水配位子を持たないハロゲンまたは硫黄配位型非分子性クラスターを用いた結果、複数の金属原子が活性点として協同的に働き、脱水素や分解、種々のメチル化等、水配位子を持つクラスターでは行われない様々な反応が進行することを見いだした。
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