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2013 年度 実施状況報告書

明確な結合方向を持つユニットを利用した共有結合性かご状分子の創製

研究課題

研究課題/領域番号 25410087
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京工業大学

研究代表者

小野 公輔  東京工業大学, 理工学研究科, 特任助教 (30579313)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードかご状分子 / 動的共有結合
研究概要

ナノメートルスケールの巨大な内部空間を有するかご状分子はその特異な内部空間にゲスト分子を包接できることから、貯蔵、分離、触媒、等への応用が展開されている。その構築には、「明確な結合方向」と「結合の可逆性」を持つ配位結合を利用した自己集合により大きな成功が収められている。一方、本研究課題では、「明確な結合方向を持つユニット」と「結合の可逆性をもつ動的共有結合」を利用することで、ナノメートルスケールの内部空間を有する共有結合性かご状分子の自己集合的創製を目的とする。まず、動的共有結合部位として、ボロン酸を選択した。ボロン酸はジオールとの脱水反応でボロン酸エステルが形成することや、ボロン酸3分子で脱水縮合しボロキシンを生成することが知られている。どちらも水のみが関与する穏やかな可逆反応である。そこで本年度は、共有結合性かご状分子の創製に向け、ボロン酸部位を有する様々な「明確な結合方向をもつユニット」の合成を目指した。ユニットの骨格としてアセナフチレンダイマー、カテコール、レゾルシノール、カルバゾール、フルオレン、ビフェニル、ビナフチル、クラウンエーテル、オレフィン、チオフェン、セレノフェンなどに着目した。各ユニットのジブロモ体から容易にフェニルボロン酸部位を導入できる手法を確立し、計35以上のユニットを構築することに成功した。来年度以降は本年度合成した各ボロン酸の自己集合挙動を精査する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題は、ナノメートルサイズの大きな内部空間を有する共有結合性かご状分子を構築することにある。そのカギはいかに動的共有結合形成をうまく制御し、一挙にナノメートルサイズの共有結合性かご状分子を形成させるかにある。その達成には「精密な分子設計」がもとめられ、その知見は、いくつものモデル化合物を合成し、また反応条件を精査して初めて得られるものである。そういったなかで、本年度は、種々の「明確な結合方向をもつユニット」のジブロモ体から容易にフェニルボロン酸を導入できる手法を確立し、計35以上のユニットを構築することに成功した。今後、これら全ての自己集合挙動の精査を行うことで、共有結合性かご状分子構築に必要な「明確な結合方向をもつユニット」への十分なフィードバックが期待でき、本研究課題が順調に進んでいると言えると判断した。

今後の研究の推進方策

本研究課題では、「明確な結合方向を持つユニット」と「結合の可逆性をもつ動的共有結合」を利用することで、ナノメートルスケールの内部空間を有する共有結合性かご状分子の自己集合的創製を目的とする。本年度は、種々の「明確な結合方向をもつユニット」のジブロモ体から容易にフェニルボロン酸を導入できる手法を確立し、計35以上のジボロン酸ユニットを構築することに成功した。来年度以降は、これら全ての自己集合挙動の精査を行うことで、共有結合性かご状分子構築に必要な「明確な結合方向をもつユニット」へフィードバックし、ナノメートルスケールの内部空間を有する共有結合性かご状分子の自己集合的創製を目指す。

次年度の研究費の使用計画

本年度、「明確な結合方向を持つユニット」へのジボロン酸部位の導入を中心に行った。ユニットのジブロモ体から容易にフェニルボロン酸を導入できる汎用性の高い手法を研究開始から近いうちに確立することができたため、当初予定していた使用額より少なくてすんだ。
来年度以降に、本年度合成した35以上のユニットからかご状分子の構築を精査する。そこで得られた知見をフィードバックし、さらなる精密な分子設計が必要となると考えられ、その際の試薬購入に繰越額を充てる予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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