「明確な結合方向を持つユニット」と「結合の可逆性をもつ動的共有結合」を利用することで、ナノメートルスケール共有結合性かご状分子の自己集合的創製を目的とした。ボロン酸は、可逆的に3分子で脱水縮合しボロキシンを生成することが知られている。そこで「明確な結合方向をもつユニット」を有するジボロン酸からのボロキシン形成反応によるかご状分子の創製を試みた。「明確な結合方向をもつユニット」としては、カテコール、レゾルシノール、カルバゾールなどに着目し、計40以上のジボロン酸を構築した。各ボロン酸の自己集合挙動を精査したところ、ボロキシンケージ3量体、6量体、12量体を構築することに成功した。
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