量子コンピュータの実現のため様々な量子物理系が提案されているが、それぞれの長所を生かし短所を補うハイブリッド型が注目されている。我々は、量子演算を担う量子ビットとして超伝導磁束量子ビットを用い量子メモリーとして位相記憶時間の比較的長い分子スピンアンサンブルを用いることを着想した。ハイブリッド型として機能させるために量子情報を超伝導磁束量子ビットから分子スピンアンサンブルへ移動させ得ることを確かめる必要がある。そのため両量子ビットを強結合させる実証研究をおこなった。この目的のために適切な基底三重項有機分子スピンの希釈単結晶の育成と結晶表面の平坦化に成功し、量子情報の移動を実証する目途がついた。
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