| 研究課題/領域番号 |
25410100
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 研究機関 | 東邦大学 |
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研究代表者 |
桑原 俊介 東邦大学, 理学部, 講師 (40359550)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 分子マシン / 分子バルブ / 光異性化 |
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| 研究概要 |
ナノレベルでの分子の捕捉，放出の制御は，エネルギー・環境・医療など幅広い分野で求められている技術である。本研究では，外部刺激により弁の回転を制御する分子マシンである分子バルブの開発を行う。分子バルブはクラウンエーテルを含む開口部分で分子を吸着させ，光照射により弁を一方向に回転させることにより分子を一方向に移動させることができると考えられる。分子バルブをカーボンナノホーンおよびメソポーラスシリカなどの超分子構造体に連結し，薬剤分子の捕捉，放出を制御する新規ドラッグデリバリーシステムへの応用を目指す。
本年度の研究では，キラリティー部位を導入した分子バルブ1, 2の合成に成功した。ジヒドロナフタレン骨格にキラリティー部位を導入した分子バルブ(E,E)-1と(Z,Z)-1は，7-メトキシテトラロンから7段階の反応で合成した。それぞれの構造はX線結晶構造解析により明らかにした。インダン骨格にキラリティー部位を導入した分子バルブ2は，7-メトキシテトラロンから5段階の反応で合成した。今後2の詳細な構造解析と1, 2の光異性化挙動の解析を行う予定である。
一方，分子バルブ誘導体の合成中間体などの絶対配置決定に有効である新規プローブ3の開発に成功した。3とキラルアミン類と連結させ，7員環状の連結体を得ることができた。連結体のクオーターフェニル部位のねじれをCDスペクトルで観測することにより，キラルアミン類の絶対配置を決定できることを明らかにした。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究では，1) キラリティー部位を導入した分子バルブの合成，2) 分子バルブの回転方向の制御，3) 分子バルブの開口部分での取り込み能の調査を計画した。1)のキラリティー部位を導入した分子バルブ1, 2の合成において，反応条件の検討，合成ルートの変更を行う必要があり，予定以上の時間を費やすことになった。一方，(E,E)-1と(Z,Z)-1から単結晶を得ることができ，困難であると予想した分子バルブの構造を明確に決定することができた。本年度の研究では1)の項目が最も重要で時間がかかる内容であり，目的とする化合物の合成と構造決定を達成できたという点で，研究は順調に進んでいるといえる。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度の研究においてキラリティー部位を導入した分子バルブの合成が完了し，その合成ルートが確立したため，今後分子バルブ1, 2の大量合成を行うことができると考えられる。次年度においては，合成した分子バルブ1, 2に光照射を行い，異性化挙動の調査と回転方向の制御を行う。また，分子バルブの開口部分での取り込み能の調査を行う。以上の結果を考察した後，超分子構造体に連結させる分子バルブの設計，連結部位を含めた合成を行う予定である。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
物品費の消耗品として予定していた試薬がキャンペーン価格により安く購入できたこと，同じく消耗品としていたガラス器具が修理によって再利用できたことなどにより，計画した額と使用額に差が生じたため。
生じた使用額の差額分は，消費税等によって値上がりした試薬代，ガラス器具代などの消耗品代に充てることを計画している。
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