触媒を利用して水素分子をプロトンとヒドリドに分割し、ヒドリドをカチオン性含窒素複素環化合物で捕捉する反応を開発した。生成物は安定な有機化合物であるが、触媒存在下では有機ヒドリド試薬としてはたらき、プロトン化による水素ガス放出や、有機物の還元が可能であった。また、カチオン性複素環内において高度に求電子的となった炭素原子へヒドリドを付加することにより、温和な条件で一炭素ユニットの還元を進めた。この反応は、有機補酵素の補助の下で水素を使って二酸化炭素を還元する、生物的メタン生成の経路と関連するものである。
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