研究課題/領域番号 |
25410115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
野上 敏材 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60402963)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 糖鎖 / 電解酸化 / グリコシル化 / 自動合成 / 天然物 |
研究概要 |
研究代表者らは電気化学的手法に基づくチオグリコシドのグリコシルトリフラートへの変換方法を開発し、電気化学的手法のメリットを活かして、液相におけるオリゴ糖の自動合成へと展開している。これまでに自動合成装置のプロトタイプを開発し、β-1,6-グリコシド結合の繰り返しで構成されるオリゴグルコサミン6糖の合成をデモンストレーションした。 今後の課題は基質の拡張と収率の向上並びに複数種類の糖で構成されるオリゴ糖を自動合成出来るような装置への改良である。1年目の25年度は原理検証と反応条件の最適化を行い、同時に糖鎖ビルディングブロックの開発に取り組んだ。26年度はβ-1,4-グリコシド結合で構成されるオリゴ糖合成と生物活性糖鎖としてTMG-キトトリオマイシンの自動合成に取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
装置開発に必要な経費が不足しているため、装置改良はやや停滞しているものの、糖鎖ビルディングブロックの開発や生物活性糖鎖の合成はおおむね順調に進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は以下の3点に絞って推進する予定である。 (1) 計算化学的手法による糖鎖ビルディングブロックの合理的設計:糖鎖ビルディングブロックの候補となる化合物はその保護基のパターンなどを考えると無数にある。そこで、あらかじめ計算化学的手法によって、電気化学的な活性化され易さなどを見積もることで、候補化合物を効率的に絞り込もうと考えている。 (2) 電気化学測定とモデル反応による評価:候補化合物は実際に合成して、酸化電位測定による評価と、実際のモデル反応を行って、収率を出すことで評価する予定である。 (3) 生物活性オリゴ糖の自動合成:オリゴグルコサミン関連では、キチナーゼの阻害作用を有するTMG-キトトリオマイシンを標的として自動合成を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
購入予定の試薬の在庫切れに伴い、納期が翌年度にずれ込んでしまったため。 5月末までに予定通り購入し、実験を実施する予定。
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