現在、焼却しても二酸化炭素の発生を伴わない植物由来プラスチックが注目されている。その中でポリ乳酸は実用化され、様々な用途への応用が検討されている。しかしポリ乳酸の原料である乳酸には不斉炭素が存在し、その純度がポリ乳酸の物性に大きく影響することが問題となっている。 本研究では、原料となる乳酸がどのような光学純度であっても、現在市販されているポリ乳酸と同程度の融点を有するポリ乳酸を合成でき、かつケミカルリサイクルした乳酸にも対応可能な重合触媒の開発を目指した。様々な検討により、いかなる光学純度の乳酸からでも、現在の市販品の融点と同程度以上のポリ乳酸を合成できる重合系を開発する事に成功した。
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