研究課題/領域番号 |
25410140
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古谷 浩志 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (40536512)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大気ナノ粒子 / 化学組成 / 単一ナノ粒子質量分析 |
研究実績の概要 |
初年度の平成25年度では、実験計画どおりに購入した静電分級器(DMA)で粒径別に選別したナノメーターサイズの大気エアロゾル(粒径100 or 150 nm)を、水蒸気凝縮粒子カウンター(WCPC)に導入しマイクロメーターサイズに肥大化させ、肥大化させた粒子のサイズ計測を光学式パーティクルカウンター(OPC)で計測していたが、結露などの問題があり正しいサイズ測定ができていなかった。肥大化させたナノ粒子のサイズは、レーザーイオン化単一微粒子質量分析計(ATOFMS)で効率良く単一微粒子分析を行う腕で非常に重要なパラメーターであるため、本年度では、まずはこのサイズ測定の問題を解決し、ナノ粒子をレーザーイオン化単一微粒子質量分析計での測定に適した粒子サイズ(300-400 nm)に肥大化させるべくOPCの改造も含めた様々なテストを行い始めた。当初の予定では、このテストを進め水蒸気凝縮によって肥大化させたナノ粒子の粒径を制御し、ATOFMSに試験的に導入し、ナノ粒子の1つ1つの化学分析を試みる予定であった。しかし、研究代表者は、平成26年度に当初研究活動を行っていた大気海洋研究所からの転出も含めて2度の所属研究機関の移動を行った。異動に伴う研究機材の移設も行ったため、研究機材の移設準備や移設、立ち上げに時間を取られ、現在、ATOFMSやサイズ選別・測定装置(SMPS)といった実験用機器などの設置ならびに立ち上げ・再調整も含めた研究環境の整備をやっと終え、本研究開発を再開させたところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者は、平成26年度に当初研究活動を行っていた大気海洋研究所からの転出も含めて都合2度の転出を行い、それに伴う研究機材の移設も行ったため、研究機材の移設準備や移設、立ち上げに時間を取られ、研究の進捗が、当初の予定よりも遅れてしまった。現在、ATOFMSやサイズ選別・測定装置(SMPS)といった実験用機器などの設置ならびに立ち上げ・再調整も含めた研究環境の整備をやっと終えることができ、本研究開発を再開させたところである。そのため、当初の予定よりも研究の進捗が遅れいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者の所属研究機関の2回の移動に伴う、研究機材の移設・再セットアップが済み、再度研究を進める体制が整ってきた。まずは水蒸気で肥大化させたナノ粒子のOPCによるサイズ測定で問題となっていた結露の問題を、OPC導入するまえにナノ粒子フローを室温状態に戻しまた定期的にOPCに乾燥したガスを導入してOPC内部を乾燥させ結露を防ぐことで解決する。OPCへの大気逆流の問題も、シース流をOPC内で循環させずに、別の流量コントロールシステムを用いることで解決し、肥大化させたナノ粒子の粒径モニターの手法を確立させ、ナフィオンドライヤーなどを用いて粒径をATO測定に最適な300-400 nmにコントロールするよう開発を進め、ATOFMSによる個別化学組成測定を達成させる。また冬季には、甚大なPM2.5大気汚染で問題となっている中国北京市でATOFMSによる大気エアロゾル測定の予定となっており、可能であれば、本開発手法を用いて北京市での甚大なWinter Hazeにおける大気ナノ粒子観測を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者は、平成26年度に当初研究活動を行っていた大気海洋研究所からの転出も含めて都合2度の転出を行い、それに伴う研究機材の移設も行ったため、研究機材の移設準備や移設、立ち上げに時間を取られ、研究の進捗が、当初の予定よりも遅れてしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究の進捗の遅れを取り戻すべく、当初の物品購入予定などを27年度に行う予定である。
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