1500個のアルゴン(Ar)原子から構成されるクラスターイオンを、5 eV/原子以下の衝突エネルギーで数種類の金属試料に衝突させた時、クラスターイオンの解離の激しさ(解離度)が金属の種類によって異なることを発見し、この現象が衝突時の衝撃力の違いによるものであることを明らかにした。弾性衝突近似のもとでは衝撃力は試料のヤング率に依存するので、解離度の測定から未知材料のヤング率を求めることができる。さらに、銅基板にグラフェン(1層)を積層させた試料にこの方法を応用した結果、衝突時にグラフェンが変形することによって、グラフェンを積層させない場合に比べて解離度が1/5に緩和されることが示された。
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