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2013 年度 実施状況報告書

嵩高いシリル基で保護された糖受容体の一段階合成と3位選択的グリコシル化反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25410170
研究種目

基盤研究(C)

研究機関埼玉大学

研究代表者

幡野 健  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (40332316)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード嵩高いケイ素置換基 / 糖水酸基 / 速度論的保護 / 位置選択的グリコシル化 / オリゴ糖合成
研究概要

糖水酸基の保護基として用いたときに、その糖誘導体の結晶性を向上させる新しい高結晶性の嵩高いシリル基の探索を行った。ケイ素保護基のケイ素と糖水酸基の酸素原子との結合(Si-O)は、酸もしくは塩基により解離する。有機合成などで良く使用されているケイ素置換基については、酸、塩基に対する安定性の序列がそれぞれ報告されている。しかし、原料が市販されていないケイ素置換基については、その安定性は未知である。そこで今年度は、酸、塩基いずれにも安定性の高いことが知られているt-ブチルジフェニルシリル基【-Si(tBu)Ph2】をリード化合物として、ケンブリッジ結晶構造データベース、理論計算の結果を参考に隣接水酸基の速度論的保護および糖誘導体の結晶性向上を達成する新規ケイ素置換基の探索を行った。
ケイ素上のアリール基には、3,5-ジ(t-ブチル)フェニル基【m-Dbp】、3,5-ジ(i-プロピル)フェニル基【m-Dip】、3,5-ジメチルフェニル基【m-Xyl】、2,4,6-トリ(t-ブチル)フェニル基【Tip】、4-メトキシフェニル基【p-Ans】の計5種類を使用した。また、アルキル置換基には、t-ブチル基【tBu】、i-プロピル基【iPr】、メチル基【Me】の3種類を使い、それら両方の組み合わせでできるシリル基を新たに合計8種類合成した。
アノマーベンジル置換のグルコースに新規シリル基を6位水酸基に導入した結果、ほとんどの生成物がシラップ状の粘性液体となったが、その中でも唯一、-Si(p-Ans)2tBu置換グルコースが結晶性を示すことが分かった。現在、この知見をもとに更なる高結晶性シリル基の探索およびその置換基による位置選択的・立体選択的グリコシル化反応の調査を継続している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

隣接水酸基の速度論的保護および糖誘導体の結晶性向上を両立するケイ素置換基の探索は、本研究の根幹部分であり慎重に調査すべき事項である。今年度は、新規ケイ素置換基をアノマーベンジル置換グルコースの6位水酸基へ導入することで、シリル置換基の結晶性についてある程度の優劣をつけることが出来た。

今後の研究の推進方策

次年度は、今回開拓したシリル基により無保護の単糖中の複数の水酸基を保護することで結晶性のさらなる向上させること、および隣接水酸基の速度論的保護を行いグリコシル化反応における位置選択性が発現することを調査する。対象とする単糖は、容易に購入可能なグルコース、ガラクトース、マンノース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミンを実施する予定でいる。また、上述したように条件を満たすシリル基の開拓は最重要課題である。従って、次年度も継続して新たなシリル基の探索をする予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、当該年度交付額の0.8%にあたる。概ね予定通り予算執行したと判断した。
次年度は、市販されている多くの単糖についてシリル基の導入およびグリコシル化位置選択性の調査を行う予定でいる。次年度使用額は、その単糖購入額に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] かさ高いシリル基のオリゴ糖合成への利用2013

    • 著者名/発表者名
      神瀬龍平、高畑徳允、伊藤諒、小山哲夫、松岡浩司、幡野健
    • 学会等名
      第17回ケイ素化学協会シンポジウム
    • 発表場所
      箱根湯本温泉ホテルおかだ(箱根)
    • 年月日
      20131025-20131026

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公開日: 2015-05-28  

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