研究課題
初年度(H25年度)には、取り扱いが容易なレタス葉緑体形質転換用ベクターを作製し、これをベースに4-ケトカプサンチン(crtWとCCS遺伝子の導入)、2,2’-ジヒドロキシアスタキサンチン(crtW、crtZとcrtG遺伝子の導入)、及びノストキサンチン(crtZとcrtG遺伝子の導入)産生用プラスミド構築した。これら3種のプラスミドを用いて、レタス(バークレー品種)の形質転換を行い、目的の外来遺伝子が葉緑体ゲノムの予想部位に導入されたことをPCRで確認できたものを取得した(H25~26年度)。次に、選択薬剤入りの再分化培地での葉の置床→不定芽形成を5回以上繰り返し、ほとんどの葉緑体ゲノムが組換えゲノムに置き換わった葉緑体ゲノム改変(CGM)レタスを数系統ずつ取得し、種子を得た(H26~27年度)。レタス葉から全カロテノイドの効率的抽出法を決定し、これら3種類のCGMレタス葉のHPLC-PDAやHRMS等を用いた色素分析を行った。crtW、CCS導入CGMレタスは4-ケトカプサンチンを生産できなかったが、残りの2種類のCGMレタスは目的とするカロテノイドを生産していた(H27年度)。また、crtW、crtZ、crtG導入CGMレタスは、有望な機能性が期待されるフリチエラキサンチン(4-ケトルテイン)を含んでいたので、このCGMレタス、またはcrtW、crtZ導入CGMレタス(先行して作出されていた)を多量栽培し、その葉から本色素を100 mg以上精製した(H28年度)。なお、crtW、crtZ導入CGMレタスは植物生理学研究用にも提供された。さらに比較のため、crtWとcrtZ遺伝子の染色体への導入用プラスミドを作製し、レタス以外の機能性カロテノイド産生農作物の作出にも貢献した。以上の成果等により、H28年のGordon Research Conference on CarotenoidsではDiscussion Leaderとして招待された。
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