有機リン系難燃剤は、環境調和型難燃剤として注目されている。2-フェニルフェノール骨格と三塩化リンによるFriedel-Crafts型反応において超強酸(特にトリフルオロメタンスルホン酸)を作用させ、9,10-Dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene 10-oxide類縁体が合成できた。本骨格に対して二塩基酸クロリド(塩化セバコイルおよび塩化グルタリル)を用いた連結反応により、新規二官能性有機リン化合物へ誘導できた。樹脂用難燃剤は熱安定性が指標の一つであり、熱分析の結果から従来と比較して耐熱性の向上が明らかとなった。
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