研究課題/領域番号 |
25410207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 株式会社豊田中央研究所 |
研究代表者 |
向 和彦 株式会社豊田中央研究所, 材料・プロセス2部 無機材料研究室, 研究員 (50394812)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リチウムイオン電池 / インサーション材料 / スピネル構造 / 磁性 / 相転移 / エネルギー関連 |
研究概要 |
本研究の目的は、Li[Li1/3Ti5/3]O4(LTO) に代わる低電位で高容量な無歪みLi インサーション材料を創製することである。本年度は、充放電中のLTOの結晶構造変化をラマン測定によって調べた。さらにLTOと同じくスピネル構造を有するリチウム鉄チタン酸化物Li1/2+1/2xFe5/2-3/2xTixO4(LFTO)を合成し、xによる構造変化をX線回折測定、電子線回折測定等により調べた。その結果、LTOでは、Li-O間の距離及びO-Ti-O間の角度を変化させることで、全体の格子定数を一定にしていることが分かった。またLFTOでは、超格子構造が2つの異なるx領域で観測され、少なくとも4つの領域に分離できることが明らかとなった。 さらに、LTOもしくはそれに代わる負極活物質と組み合わせる正極活物質についても、「構造及び磁性と電気化学特性の相関」の観点から研究を行った。その結果、NiとMnが不規則配列したLi[Ni1/2-wMn3/2+w]O4は、規則配列したLi[Ni1/2Mn3/2]O4とLiMn2O4の固溶体であることが分かった。さらに化学量組成LiCoO2は室温でゆらぎ磁性を示すこと、Li過剰LiCoO2も化学量論組成LiCoO2と同じく菱面体晶⇔単斜晶の構造相転移を示すことが明らかとなった。 来年度は、LFTOの結晶構造を学術論文としてまとめ、さらに充放電中の詳細な反応機構を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度は、雑誌論文4報(全て査読有り)と学会発表7件(内2件国際学会)を行った。また2014年5月の時点で雑誌論文2報を投稿中である。実験も着実に進めており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
LFTOの結晶構造解析結果を学術論文としてまとめ、さらに電気化学反応を詳細に調べる。必要とあらば、放射光施設や中性子・ミュオン加速器施設等の外部の研究機関と協力して研究を進める。
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