亜鉛アリルジチオカルバメート系モノマーのラジカル共重合およびエン-チオール反応に基づく高屈折性樹脂の合成を検討した。同モノマー、アクリレート類などの二重結合をもつモノマー、および光ラジカル開始剤、さらに必要に応じてチオール類を加えた混合物に紫外線を照射させることで、様々な透明かつ耐溶剤性に優れるフィルムの作製に成功した。屈折率(nD)は1.67程度で、同モノマーを加えずに得られたフィルムより大幅に高かった。また、ラジカル重合ではハードコートに適した硬度のある硬化物が、エン-チオール反応では柔軟で伸縮性のある光学接着剤等に適した硬化物が得られることが分かった。
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