本研究は、希土類発光錯体を自己組織化オルガノゲルに分散させて、高輝度オルガノゲル媒質及び高い発光量子収率(Φ)を示す波長可変発光体の開発を目的とする。Eu錯体をゲルに分散させた系をナノ秒レーザーで励起したところ、共振器の改良によってASEの発生しきい値は 0.1 mJ と求められた。その一方、今回新たにCe錯体を開発し、既存のEu、Tb錯体では到達できない紫色-青色の発光色を実現した。その理由はCe錯体が4f-5d遷移を用いるからである。一方Eu錯体について、重い原子団を配位子に用いて分子内振動緩和の寄与を妨げた結果、Φ = 46%を達成し、従来得られている値(22%)を大きく向上させた。
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