液晶エラストマーはソフト固体でありながら液晶相の刺激応答機能を持つため、圧電効果を利用した人工筋肉や、電傾効果を用いたフィルム型ディスプレイ材料への応用などが期待される。本研究では、電傾効果を発現するキラルスメクチックA相(SmA*)を持つ液晶エラストマーに注目し、一軸配向した液晶エラストマーを合成し、相転移挙動と電界誘起変形を検討した。コレステロール誘導体をメソゲン基とした側鎖型液晶エラストマーが室温近傍から120℃の温度範囲でSmA*相を呈し、この温度領域全体で電傾効果が発現した。電界誘起による光軸変化に比較してせん断変形は小さく、フィルム型ディスプレイ材料として有望と考えられる。
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